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社会風潮を考える

 

「象の墓場」という言葉がある。

死期を悟った象は仲間との群れを離れひとり静かに墓場へ向かうと言う、

悲しいながら冷厳で清い習性を表す伝説と理解したい。

 

惨い凶悪犯罪が頻発する人間社会は一体どうなっているんだろう?

客観的判断力を忘れて自己主体型になるそして自暴自棄になる、

なんと身勝手で短絡的であろう。

 

余りにも冷酷な犯罪が続くので数か月前の残忍な事件がが記憶から薄れていく、風化していく。

今の犯罪がまだ記憶に残るうちに、また新たな凶悪犯罪が発生して前の事件が薄れていく。

これは「負の連鎖」と言うより「国家破壊の連鎖」のようにさえ思える。

 

危惧することは、これらの事態が蔓延して普通の出来事のようになり衝撃が麻痺することだ!

人々が無関心になり、自己の身をかばうだけの傍観者になってしまったら家庭の延長である

国家は破滅する。

 

「世の中が嫌いになった」「生活に疲れた」などの理由で平穏な社会生活を営む人々へ暴走車で

突っ込み無差別に殺傷されては堪らない。

以前にもアーケードに突っ込んだ同種の犯罪があった。

 

何が原因でこのような凶悪犯罪を起こし、甘えの思考を形成しているのだろう?

生い立ち?家庭?学校教育?国の政治?

どれを取って見ても犯罪の正当な理由に当たるとはとても考えられない。

人間は自我を持ちこの世に生れ、自らの責任を育み社会生活に協調していく義務がある。

 

世の中には家を失い、着衣も変えられず、飲食さえも行き届かず生活している人達がたくさんいる、

それでも努めて笑顔でふるまい、小さな幸せを見つけようと懸命に生きている人々が世界各地にいる。

 

世の中が嫌になり閉塞感に包まれたら、自分より困っている人に目を向けて死ぬ気でお手伝いする

気持に切り替えられないものか。そしたら、新たな生き甲斐が!

いゃ、言葉では言えるけど思考の転換が出来ないから不幸な事態に陥る。

常識的な思考を冷静に判断できるよう、子供の頃から会得させ習慣付けることが大切に思う。

 

 

前述の事柄とは全く関係は無いけど朝の出勤時に目を背けたくなる光景に度々出会う。

一部高校生の通学スタイルだ、仮にも教育を受ける服装と格好ではないと思える人が多い、

「自由」と「自分勝手」を完全に履き違えているように思えるスタイルとマナーの人が目立つ。

迎える学校側、教師は何も言わず容認しているから、それが普通だと考えているのだろうか?

学校側は授業料を頂くお客様だから自由放任しているのだろうか?家庭は?

 

以前に友人から聞いた話しを連想する。

中国北京へ旅行した際に「故宮」で遭遇した日本から修学旅行の女高生、

その場所に余りにも不釣り合いで奇抜な服装が、現地の人の好奇な目と嘲笑に晒され

同国人として、とても恥ずかしい思いをした引率の教師は恥ずかしくないのだろうか!

 

礼服は同じでも結婚式とお葬式ではネクタイの色が違う。

 

TPO(時・場所・場合)を理解する概念が大人たちと違うのか、教えるべき大人達の無関心や

指導不足か、または社会の乱れた風潮がそうさせたのか?

家庭、学校、市町村、そして国が一貫して規律を教育していかないと国の主体性は失われて

亡国の懸念にさえ及んでしまう。

 

これらは、出会った一部の青少年を決して誹謗しているのでは無い。

前途洋洋の輝く未来があるからこそ黙視するに忍びない思いがある。

 

若人のエネルギーを健全な方向に爆発させて、世の中が建設的で爽やかな環境を維持できるよう、

国民の一人一人が考えていくべきに思う。

 

「熱い心と冷たい頭を持て」 書物で読んだ、元国連難民高等弁務官 緒方貞子氏の言葉

 

                                                        岩瀬

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